アイリスの花言葉

アイリスはアヤメ科の植物で、花言葉に「うれしい便り・吉報・消息」があります。
ほかにも、ジャーマンアイリスは「伝言・優雅」、ニオイアヤメに「情熱・恋人」という花言葉が付けられています。
アイリスがギリシア神話になっていることから、このような「便りを届ける」という意味を持つ花言葉となったのでしょう。

アイリスはヨーロッパ原産の植物ですが、日本をはじめとするアジア圏の国々では、「アヤメ」という和名で呼ばれています。
アヤメは、花弁に網目状の模様のあるのが特徴的な、紫色の華麗な花です。
この模様には、昆虫を引き寄せる役目があるといわれます。

日本で栽培されているアヤメはとても種類が多く、ほかに「菖蒲(しょうぶ)」や「かきつばた」という花が存在します。
「いずれがアヤメ、かきつばた」という言葉があるように、見た目がとてもよく似ていることからこのように伝えられています。

菖蒲

菖蒲(しょうぶ)ですが、この漢字は「アヤメ」や「かきつばた」と読まれることがあります。
しかし、植物的には同じアヤメ科に属しているというだけで、違う花の種類です。

特に、菖蒲の場合は、5月5日の端午の節句に菖蒲湯に入る伝統行事が有名ですが、サトイモ科に属しています。
葉っぱの形が似ているというだけで、ほかに花の咲く「ハナショウブ」という種類があるために混同されているようです。
昔はアヤメ科のアヤメではなく、この菖蒲を指して「アヤメ」と呼んでいた時期があります。

さらに、愛知県の県花となっているかきつばたですが、漢字で「杜若」と書きます。
菖蒲とアヤメとかきつばたは見た目がよく似ているために、間違って呼んでいるおそれがあります。
いずれかを見かけたら、植物図鑑でもごらんになって花の種類を確認してください。

神話・伝説

アイリスという名前は、ギリシア語で虹を表す「イリス」からきています。
ギリシア神話にまつわる花言葉も多くありますが、アイリスの場合は、太陽の神ゼウスの妻ヘラに仕える侍女イリスの物語になっています。

イリスはゼウスに何度も求愛されますが断り続けて、ヘラに「どこか遠くへ行かせてほしい」と頼みました。
ヘラも自分の夫が侍女に手を出しているわけですから、複雑な心境だったでしょう。

ヘラはイリスの願いを聞き入れて、七色に輝くネックレスを与え、使者になることを命じました。
神の酒を3滴ほどイリスの頭にふりかけ、大空を渡る虹の女神へと変えました。
そのとき酒のしずくが地上に落ちて、鮮やかなアイリスの花が咲いたといいます。

イリスは神々の使者となり、虹は彼女が天上と地上を往復するためのかけ橋の役割を果たしたということです。
このように、アイリスという花は神話や伝説となって、多くの人々に語り継がれています。