花言葉の歴史

所説あるのですが、最も有力な花言葉の起源は17世紀頃のトルコで生まれたとされています。トルコの風習に「言葉ではななく、花に思いを託して気持ちを伝える」という風習が花言葉の発祥と言われています。後にヨーロッパでも流行してゆき、世界中に広がっていったというのが花言葉の歴史。

しかし、ある花言葉の意味がそのまま伝わったのではなく、それぞれの国にアレンジされながら広がっていくのです。

言語が異なれば、環境も異なり、花に対する印象も異なりますから、それぞれの民族に適した花言葉が付けられていきました。

たとえば、お祝いの贈答品として豪華な花である胡蝶蘭を日本人は「蝶」としてイメージしていますが、他の国の人は「蛾」ようにイメージしているため、学術名は蛾を言い表す「ファレノプシス」が使われています。
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特にヨーロッパと比べると日本は独自の文化を持った島国です。ヨーロッパでは神話や伝説にまつわる花言葉が多いのに対して、日本では四季や花の特徴をあらわしたものが多いようです。春・夏・秋・冬で、四季がハッキリしている日本ならではということでしょう。
このように国によって咲く花の種類も違ってきますから、その花が咲いている状況しだいでは、花が与えるイメージが異なるのは当たり前のことかもしれませんね。

四季と関係性が深い日本の花言葉

先ほど述べたように日本には四季があり、日本の花言葉はそれぞれの四季によって分類されるという特徴があります。
四季のない国に比べると花の種類が豊富なので、それだけ花言葉も多いというのも特徴的なことです。

春の花

春であれば、桜は「純潔・とても美しい人」、チューリップは「恋の宣言・思いやり・博愛」、タンポポは「飾り気のなさ・愛の信託」などの花言葉が付けられています。また、カーネーションには、「母への愛情」という花言葉があり、母の日に贈る代表的な花として、毎年数多くのギフトがリリースされています。


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夏の花

夏の代表的な花であるひまわりは「熱愛・憧れ・愛慕」、ダリアが「移り気・優雅・華麗」、あざみは「独立・厳格・傷つく心」などで、同じ夏の花でも、花によって伝わるイメージはかなり異なります。自分がイメージしていたものと違っている場合もあるかもしれませんね。

秋の花

秋に咲くコスモスなどは、ピンクが「乙女の純潔」、濃いピンクが「愛情」、赤が「調和・乙女の愛情」、黄色が「野生美」、白が「優美・美麗」です。コスモスに、こんなに色違いがあったことにも驚きましたが、ひとつひとつに花言葉が付けられていることに感動します。

冬の花

冬の花、は「嫉妬・清純・はにかみ」、スノードロップは「希望・慰め」、ストックには「愛の結晶・求愛・永遠の愛」などの花言葉が付いています。クリスマスに贈る花クリスマスローズは「追憶・心を慰めてほしい」、ポインセチアは「情熱的な恋・祝福」となっています。

花言葉と神話

神話にまつわる花言葉で有名なエピソードのひとつに、「ナルキッソス」の話があります。ナルキッソスというのは、ギリシア神話で登場する美少年ですが、若さと美しさを兼ね備えていた彼は、美の女神であるアフロディーテの贈り物を受け取りませんでした。それに怒りを覚えたアフロディーテは、ナルキッソスが、自分自身のことしか愛せないようにしてしまいました。

そして、他人を愛することができなくなってしまったナルキッソスが、水に映った自分自身を愛して身を投げ、そこに水仙の花が咲いていたというギリシア神話です。水仙の「うぬぼれ・自己愛・エゴイズム」という花言葉は、このギリシア神話からきています。